2005年 03月 08日
GPS セミナー |
先週末に IFR リフレッシュセミナーと GPS セミナーの2つの講習会が行われました。
昨今の日本では車にカーナビが装備されていても何とも感じませんが一般軽飛行機のコックピットに地図の表示される画面の付いたGPS(GNS)が装備されていると高価な物なので結構感動します。
GPSが航空機のナビゲーションの道具として利用されるようになったのは、かなり前の事なのですが数年前まで軽飛行機に装備されていたのは小さな液晶ディスプレーの中にトラックバーと言われる矢印が表示されそれを真中に持って行くよに操縦するようなタイプでした。ところが最近の技術革新は凄まじく、ディスプレーが大きくなり自動車に装備されているカーナビの様にムービングマップ式のタイプが主流になり精度が上がったことからVFRのみならずIFRにも利用される事が認知されてきました。ポータブルタイプのGPSでも最新機種の GARMIN 296 はディスプレーのサイズもGNS 530と同等サイズで値段も手頃とあってVFRで使用するには十分なのですがIFRには合法的に利用できません。カナダでもここ数年アメリカに追従して多くのGPSアプローチがパブリッシュされ、特にNDBアプローチが多い北部の僻地では航行援助無線設備の保守点検が必要ない為コストの面からもGPSアプローチが更に増加することが予想されます。
今回の講習会ではGPSのIFR使用に関する一般的な概要から始まり運用に必要な航空法の知識、フライトプランニング、簡単なクイズ、最近よく出回っている機種 GARMIN GNS 430 を例にとった使用法説明と最後にコンピューターを使ってディパーチャー、エンルート、ホールディング、アプローチ、ミスドゥアプローチから代替空港へ行くことを実践シュミレーションしました。
この GARMIN GNS 430 は、実機で運用してみても精度は従来の電波を利用している航行援助無線設備の様な電波障害等の誤差は無く、特にADFトラッキングをGPSとHSIを連動して使うと従来のNDBを利用するのに比べ表示に全くぶれが無く操縦し易い事は、この上ないです。また当校で導入して以来、衛星のシグナルを確保できなかった等の問題も今のところ発生しておらず最も信頼性の高い航法計器だと言っても過言ではないと思います。しかし、軽飛行機のIFRの航法計器として親しまれてきたのは最近の事で慣れない機械を実際のIMCの中で運用するのは時としてパイロットのワークロードを上げると共に事故に起因しかねないのも事実です。知人に大学でこのGNSについて研究している人がいて私もその研究サンプルとしてコンピューターを使ったシュミレーションに参加させてもらいましたがソフトウェアーの面でもまだ改善できる問題点もいくつか感じられました。GARMIN430が出てから飛躍的に広がりつつあるすばらしい航法計器ですが運用する側として実際に空中で使う前に地上でしっかりと慣熟訓練をする事が必須だと考えられます。現在のところコミューター、チャーター、エアタクシーなどのPPCチェックでは実際に運用できる事を証明するのが試験で要求されていますが法的に何時間の訓練が必要と言うような規制は無くメーカーからの具体的なガイドラインもありません。近い将来、慣熟訓練に関する何らかの法的規制がかけられるのではと予期しています。
昨今の日本では車にカーナビが装備されていても何とも感じませんが一般軽飛行機のコックピットに地図の表示される画面の付いたGPS(GNS)が装備されていると高価な物なので結構感動します。
GPSが航空機のナビゲーションの道具として利用されるようになったのは、かなり前の事なのですが数年前まで軽飛行機に装備されていたのは小さな液晶ディスプレーの中にトラックバーと言われる矢印が表示されそれを真中に持って行くよに操縦するようなタイプでした。ところが最近の技術革新は凄まじく、ディスプレーが大きくなり自動車に装備されているカーナビの様にムービングマップ式のタイプが主流になり精度が上がったことからVFRのみならずIFRにも利用される事が認知されてきました。ポータブルタイプのGPSでも最新機種の GARMIN 296 はディスプレーのサイズもGNS 530と同等サイズで値段も手頃とあってVFRで使用するには十分なのですがIFRには合法的に利用できません。カナダでもここ数年アメリカに追従して多くのGPSアプローチがパブリッシュされ、特にNDBアプローチが多い北部の僻地では航行援助無線設備の保守点検が必要ない為コストの面からもGPSアプローチが更に増加することが予想されます。
今回の講習会ではGPSのIFR使用に関する一般的な概要から始まり運用に必要な航空法の知識、フライトプランニング、簡単なクイズ、最近よく出回っている機種 GARMIN GNS 430 を例にとった使用法説明と最後にコンピューターを使ってディパーチャー、エンルート、ホールディング、アプローチ、ミスドゥアプローチから代替空港へ行くことを実践シュミレーションしました。
この GARMIN GNS 430 は、実機で運用してみても精度は従来の電波を利用している航行援助無線設備の様な電波障害等の誤差は無く、特にADFトラッキングをGPSとHSIを連動して使うと従来のNDBを利用するのに比べ表示に全くぶれが無く操縦し易い事は、この上ないです。また当校で導入して以来、衛星のシグナルを確保できなかった等の問題も今のところ発生しておらず最も信頼性の高い航法計器だと言っても過言ではないと思います。しかし、軽飛行機のIFRの航法計器として親しまれてきたのは最近の事で慣れない機械を実際のIMCの中で運用するのは時としてパイロットのワークロードを上げると共に事故に起因しかねないのも事実です。知人に大学でこのGNSについて研究している人がいて私もその研究サンプルとしてコンピューターを使ったシュミレーションに参加させてもらいましたがソフトウェアーの面でもまだ改善できる問題点もいくつか感じられました。GARMIN430が出てから飛躍的に広がりつつあるすばらしい航法計器ですが運用する側として実際に空中で使う前に地上でしっかりと慣熟訓練をする事が必須だと考えられます。現在のところコミューター、チャーター、エアタクシーなどのPPCチェックでは実際に運用できる事を証明するのが試験で要求されていますが法的に何時間の訓練が必要と言うような規制は無くメーカーからの具体的なガイドラインもありません。近い将来、慣熟訓練に関する何らかの法的規制がかけられるのではと予期しています。
by javiator
| 2005-03-08 15:54
| 海外航空事情